2022年7月1日、ついにピクサー最新作『バズ・ライトイヤー』が公開されます!
ayumi14
通称、「きれいなバズ」……!
今回は公開前の限られた情報の中から、「事前に知っていると物語に深みが増すかも?」と思われる角度から考察していきます。
というわけでテーマは主題歌『Starman』についてです。
早速参りましょう。
『トイ・ストーリー4』考察動画もお時間あれば是非!
目次
バズとデヴィッド・ボウイの共通点
まずは『バズ・ライトイヤー』について紹介します。
「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーは、 アンディ少年のお気に入りのおもちゃで、 彼の人生を変えるほど夢中になった“大好きな映画” の主人公──
有能なスペース・レンジャーのバズは、自分の力を過信したために、 1200人もの乗組員と共に危険な惑星に不時着してしまう。
作品紹介・あらすじ・キャスト情報|バズ・ライトイヤー
彼に残された唯一の道は、全員を地球に帰還させること。
猫型の友だちロボットのソックスと共に、不可能なミッションに挑むバズ。
その行く手には、孤独だった彼の人生を変える“かけがえのない絆”と、 思いもよらぬ“敵”が待ち受けていた…
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バズって単独のヒーローだと思っていたけど、チーム物のストーリーがあるキャラだったんですね!
一旦『トイ・ストーリー』スイッチをオフにしないと、導入でコケそうなので注意しましょう。
そしてこの映画の主題歌が『Starman』です。
デヴィッド・ボウイ演じる架空のロックスター“ジギー・スターダスト”が1972年に発表しました。
『Starman』はこのジギーのアルバムの4曲目に収録されており、この曲が収録されている『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』というアルバム全体を理解しなければ、『Starman』を解釈するのは難しいでしょう。
本人 | 演じるキャラ(性格) |
---|---|
バズ・ライトイヤー | バズ(トイ・ストーリー) |
デヴィッド・ボウイ | ジギー・スターダスト |
『Starman』と『Star』の違い
では『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』の前提となる設定を紹介します。
まずこの長すぎるタイトル、直訳すると『ジギー・スターダストと火星からの蜘蛛の興亡』、現行版では『ジギー・スターダスト』というシンプルなタイトルです。
5年後に迫る資源枯渇を原因とする人類滅亡の危機に、救世主として異星より来たバイセクシャルのロックスター「ジギー・スターダスト」の物語からなる。
ジギー・スターダスト|Wikipedia
その名“ジギー”はイギー・ポップから、“スターダスト”は、テキサスのミュージシャン、レジェンダリー・スターダスト・カウボーイが由来となっている。
自らが異星からやってきた架空のスーパースター「ジギー」となり、ロック・スターとしての成功からその没落までを描く物語を、アルバムに収録された曲で構成している作品である。
このアルバムはいわゆるコンセプトアルバムなので、全曲通して解釈する必要があります。
以下、簡単にそれぞれの曲について解説します。
曲番 | 原題 邦題 | 要約 |
---|---|---|
1 | Five Years 5年間 | 資源枯渇まで5年という現実を目の当たり にした人々の荒んだ生活を描写している |
2 | Soul Love 魂の愛 | 終末期の様々な形の愛について説く 「愛とは過ち」と諦観している |
3 | Moonage Daydream 月世界の白昼夢 | 困惑する群衆に対して救世主 としてのジギーの有り様を示す |
4 | Starman スターマン | 宇宙からやってきて子供たちに 語り掛けるスターマン |
5 | It Ain’t Easy イット・エイント・イージー | 大変な状況にあっても高みを目指すことは 簡単なことではないと唱える |
6 | Lady Stardust レディ・スターダスト | ジギー自身の活躍と人気を ファンの目線で語る |
7 | Star スター | ロックンロールスターになる意気込み |
8 | Hang Onto Yourself 君の意思のままに | ジギーとその仲間たち(スパイダース) によるエロティックな曲 |
9 | Ziggy Stardust 屈折する星屑 | スパイダースのメンバーによる ジギーの回顧録 |
10 | Suffragette City サフラジェット・シティ | バイセクシュアルであるジギーが 男→女へと乗り換える |
11 | Rock’N’Roll Suicide ロックン・ロールの自殺者 | 精神が困憊してしまっているジギーを 自身が救おうとする |
- 資源が『Five Years』で枯渇する事を知った世界は『Moonage Daydream』のようなジギーの登場を目の当たりにする。
- ジギーは『Starman』になることを目指し、苦悩の末『Star』になった。
- 『Starman』は宇宙の超人的な存在だったが、『Star』は元が人間なので苦難が多い。
- 『Star』の重圧に耐えられず『Rock’N’Roll Suicide』してしまう。
アルバムは後半になるにつれてロック色が強くなり、A面(1~5曲目)とは様相が変わってきます。
『Starman』はA面ですので、「これから世界は救われる」という期待感満載です。
タイトルだけ見てもわかる通り、『Starman』になることは『It Ain’t easy』。
つまりあの華やかで希望に満ちた『Starman』の裏側が『It Ain’t easy』、この2曲は表裏一体です。
バズは『Starman』なのか
では話を『バズ・ライトイヤー』に戻しましょう。
前述のようにスペース・レンジャーとして活躍するバズの超重要なミッションの様子が描かれます。
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本作では人類が惑星に不時着して1年ということで、不測の事態ということを考えると、『Five Years』も余裕はなさそうな模様。
この『バズ・ライトイヤー』は、アンディが幼少期に見て影響された映画という設定です。
初代『トイ・ストーリー』でアンディはバズをプレゼントでもらって喜んでいるだけでなく、誕生日パーティーに来ている友だちも同じように盛り上がっているので、当時の子どもたちの間で絶大な人気があった設定なのでしょう。
『トイ・ストーリー』で観るバズのキャラクターで考えると、責任感と正義感が強い、まさにヒーローといった人物像でした。
しかし『バズ・ライトイヤー』のあらすじを見る限り、バズの失敗で不時着していたり、ミッションが上手くいかなかったりと、必ずしも順風満帆な活躍ではなかったようです。
ではここから、この『バズ・ライトイヤー』を観ていたアンディの視点で考えてみます。
アンディにとってバズは、映画の中のヒーローです。
『トイ・ストーリー』でのバズへのハマり具合を見ると、圧倒的なヒーロー性を感じていることがわかります。
『Starman』の歌詞にも、こうあります。
Don’t tell your poppa or he’ll get us locked up in fright.
『Starman』David Bowie
(パパには内緒、スターマンを怖がって閉じ込めるから)
『Starman』自体が子どもに語り掛ける未確認生物(Starman)という設定。
それを大人は怖がって閉じ込めてしまうという表現は、まるで夢中で遊んでいるおもちゃを大人に仕舞われてしまうという描写によく似ています。
今回の『バズ・ライトイヤー』は『トイ・ストーリー』とは別の世界線に位置していますが、主題歌にきちんとアンディを隠すあたりが泣かせますね。
大人も子供もアンディになって、劇場で『バズ・ライトイヤー』を楽しみたいですね。
以上、『バズ・ライトイヤー』の先取り考察でした。
編集協力させていただいているYouTubeチャンネルです。
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