物語の鍵を握るパンドとリーパーの存在について考察していきます。
パンドがアヴァロニアにもたらした物は多く、またリーパーはサーチャーたちを執拗に攻撃するシーンもあったため、まさかこのような役割を担っているとは予想外の展開。
そして最終的に、ストレンジ・ワールドは巨大な亀の体内の世界であり、アヴァロニアはその亀の甲羅の真ん中にあたる部分だったことが明かされます。
この「パンド」「リーパー」「巨大な亀」について深掘りしていきましょう。
由来は「パンドラの箱」。
「パンドラの箱」とはギリシャ神話に出てくるエピソードの1つ。
パンドラは人類最初の女性であり、神々によって造られ地上に送られる。
ゼウスが贈った「絶対に開けてはいけない箱」を彼女が開けたことで、地上に災いがもたらされた。
『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』でも、パンドは未知の存在からの贈り物。
しかしアヴァロニアの人々がそれを開けてしまったことで、パンドは巨大な亀の身体を蝕んでいた。
由来は「reaper(死神)」。
大鎌を持ってマントを着た骸骨を指す。
特にヨーロッパにおいて中世以降に伝承で登場する。
『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』では、侵入したものを刈り取る役割を持つ。
亀の心臓部にまで侵食したパンドを、排除すべく必死に活動していた。
由来は「地球平面説」。
古代インドで発達した仏教宇宙観では「地球を象が3頭で支えていて、さらにその下を亀が支えている」という考え方。
『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』はこの逆で、地球の大陸の1つとして巨大な亀が存在し、その甲羅の上にアヴァロンがある。
このように世界各地のさまざまな神話や伝承に基づく要素が取り入れられているのが、『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』の奥が深いところ。
パンドとリーパーの本当の役割については、最初に気づいたのはイーサンでした。しかし大人たちに進言するも、信じてくれませんでした。
無理もありません。
自分たちの生活を豊かにしてくれていたものが、この世界にとって排除すべき存在だったなんて。
リアルに則して考えると、全く同じ構図だと思いませんか。
石油(資源)を使い文明を進歩させる一方で環境を破壊し、自分たちが住む星を汚してしまっている現状。
私たちが住むのはアヴァロニアではないので、当然巨大な亀も存在しません。でも仮に亀の甲羅に住んでいるのだとしたら、とっくに滅びているという警鐘を、この作品は鳴らしているのかもしれません。
あくまで公開後5日間の興行収入が1,860万ドル(約25億円)ということなので、最終的にどの程度に落ち着くかはわかりません。
ayumi14
25億円で大コケ…????
そう思った方にわかりやすい指標がありました。
興行収入1,860万ドルというのは、ディズニーアニメ映画の興行収入ランキングでは48位です。
ちなみに47位はあの『コルドロン』で2,130万ドル。
私の大好きな『コルドロン』の恐ろしさを知りたい方はこちら。
2023年初夏には実写版『リトル・マーメイド』の公開を控えているディズニー。
巻き返しが出来るのか?
見守っていきましょう。