今回はディズニー映画のオープニング&エンディングについて考察していきます。
ayumi14
唐突……
いきさつから詳細まで、早速入っていきましょう!
目次
OPとEDに込めた想い
なぜ急にこのテーマなのかというと、仕事をする中で気になったことがあったからです。
私は本業で不動産系の会社の公式YouTubeの運営し、副業ではアニメ系のまとめ動画の編集をしています。
動画の編集をするようになってから、他のYouTube動画はもちろん、アニメや映画などで使われている視覚効果が気になるようになりました。
元々映画を観た後に、映画の伏線や考察について調べるのが好きだったのですが、仕事で映像に多少なり携わるようになって、よりテクニカルな部分に込められた意味に興味を持ったという感じです。
特にここ数年は子どもと一緒にディズニー映画を観ることが多く、クラシック作品からディズニールネサンス、CG作品まで幅広く観ているなかでモヤモヤし始めました。
ayumi14
子供向けと言えど、OPやEDに伏線が隠されていることが多くないか??
例えば、『アラジン』(1992)のオープニングです。
商人がアグラバーの街にやってきて、観客に向かって話しかけてから、アラジンと魔法のランプにまつわる昔話をするというシーンです。
確かに、現代風のジョーク交じりだったり、アラジンの話を知っていたり、ランプから星を取り出して観客に魔法をかけるという描写など、全て彼がジーニーであるとすれば納得できる話なのです。
この説を裏付けるかのように、エンディングでは幕の向こうからジーニーが飛び出して「どうだった?」と観客に語りかけてきます。
また2019年の実写版『アラジン』でも、オープニングで『アラビアン・ナイト』を歌うのはジーニー役のウィル・スミスです。
『アラジン』はあくまで一説ですが、ではそれ以外のディズニー作品にはどんなオープニングとエンディングがあるのか?
オープニングとエンディングをきちんと解釈することで、作品全体の解像度も上がるのではないか?
これが今回の調査の動機です。
とにかく機械的に調べてみた
さすがに全作品をまるっと視聴するのは難しかったので、オープニングとエンディングに絞って、調査してみました。
まずはトランジションについて、主に使用されていたものを動画で紹介します。
そして以下が調査結果です。
1928年の『蒸気船ウィリー』から、2021年の『あの夏のルカ』まで、ピクサーやディズニー提供作品も含めて全96作を振り返りました。
ディズニー映画と言えば、「分厚い本をめくると物語の世界に入る」というオープニングのイメージだったのですが、実際その技法はクラシック作品に多用されており、2011年以降は使われていないことがわかります。
また2011年の『くまのプーさん』が「本」を使ったオープニングの最後になっていますが、これはプーさんの映画が伝統的に「本」を使っているからです。
2011年の『くまのプーさん』はウォルトディズニーの生誕110年を記念して制作された作品なので、原点回帰という意味もあったのでしょう。
その証拠に、2005年の『はじめましてランピー!』ではオープニングで「本」はすでに使われなくなっていることから、2011年の演出は意図的であることがわかります。
またディズニールネサンス以降、エンディングで多用されているのは「タイトルバック」です。
初出は1994年の『ライオン・キング』ですが、確かにラストでバン!とタイトルロゴが出るディズニー作品と言えば『ライオン・キング』がイメージされるほど、強烈なインパクトがあります。(個人的に)
「タイトルバック」は力強い印象を与えるので、ディズニールネサンス以前のプリンセス作品で使われることはなく、ディズニープリンセスの中でも特に主人公のたくましさが印象的な2018年の『シュガーラッシュ:オンライン』や、2021年の『ラーヤと龍の王国』で使われているのが特徴です。
観るだけで泣けるOP&ED2選
今回この数の作品のオープニングとエンディングを観まくって、各数秒観ただけで泣きそうになった作品が2つあったので、最後に紹介します。
オープニングでは、モンスターズインクで重要なアイテム「ドア」が開かれて物語の中に入っていきます。ある意味、伝統的な「本」を使ったオープニングを、作品に合わせてアレンジした表現と言えるでしょう。
エンディングでは、修復されたブーの部屋のドアを開けたサリーが、不安そうな顔で中を覗き込みます。ブーが「ニャンニャン!」と呼び掛けて、サリーが笑うところでエンド。
セリフもほとんどなく、サリーのワンカットのみでハッピーエンドを表現するシンプルさが素敵で涙を誘います。(また)
オープニングはおなじみのアンディの部屋の壁紙(空色に白い雲)が映ります。アンディの空想の中で大活躍するおもちゃたちの様子が映し出されます。
エンディングは大学生になるアンディが、おもちゃをボニーにあげるシーンです。ボニーと一緒に遊ぶアンディ、そしてそのバックには子供部屋の壁紙にそっくりな青空が。
恐らく皆さん同じだと思いますが、この文章書いているだけで泣きそうになります。
おもちゃたちにとってアンディがいつまでも大切な存在で、アンディが忘れてしまったとしても、一緒にいた時間は青空と共に永遠であることが想像できます。
ファンから「完璧なラスト」と評される『トイストーリー3』、さすがです。
いずれもピクサー作品になりましたが、どうしても紹介したかったので良しとしましょう。
今回ディズニー作品のオープニング&エンディングを見返してみて、当たり前ですが作風には流行があるのだということがわかりました。
アイリスイン・アイリスアウトは世間的にも「昔の映画にありがちな演出」というイメージです。
ディズニールネサンス以降はフェードイン・フェードアウトが主流ですが、実はその中でも分類するのが難しいほどそれぞれに細かいギミックが凝らされていて、一言で済ませるのは申し訳ないと思いながら調査していました。
そして私の主戦場はYouTubeなので、映画作品と比べると尺が短い分、セオリー通り作るとオープニング&エンディングに3~5秒程度しか取れないのが残念です。
皆さんはどんなオープニング&エンディングが印象に残っていますか?