ディズニー映画に関連が深い作品を紹介していくシリーズです。
今回は『ミセス・ダウト』(1993)。
こちらはディズニールネサンスの名作『アラジン』(1992)が好きな方に特におすすめの作品です。
ayumi14
『アラジン』が生涯で一番多く観た映画になる予定の私が言うので、まずは聞いて下さいよ、、、
「懐かしいな~!」という方も、未見の方も是非ご一読下さい。
『アラジン』(1992)の考察はこちら。
目次
現代に現れたジーニーの話
まずは『ミセス・ダウト』のあらすじをご紹介します。
『ホーム・アローン』のクリス・コロンバス監督×ロビン・ウィリアムズ主演で贈る、爆笑と涙のファミリー・コメディ! 失業中のダニエルは、妻に離婚を宣言され、子供たちに会えるのは週にたった1度だけ。それに耐えられない彼は、妻が家政婦を募集しているのを知り、メイクアップの仕事をしている兄に頼んで女性に変身!家政婦、ミセス・ダウトファイアーとして誰にも気づかれずに家に入り込んだ!
ミセス・ダウト|20th Century Studio
ロビン・ウィリアムズの良さをこれでもか!というほど詰め込んだ、魅力満載のストーリーです。
おしゃべりや変装だけでなく、歌もダンスもキレキレで留まるところを知りません。
もうこれだけでおわかりのように、『アラジン』でジーニーの吹き替えをした彼です。
俳優としてはもちろん、アドリブの多彩さや声優としても評価されています。
しかも『アラジン』の翌年『ミセス・ダウト』が公開されているので、ほぼ同じ時期に収録されていることは間違いありません。
これだけでもファンには観る価値があることは間違いないのですが、ストーリーにも注目したいところです。
このストーリーはミランダに離婚を言い渡されたダニエルが、子どもたちに会いたい一心で家政婦に扮することから始まります。
結婚生活では所謂「大きな長男」状態だったダニエルが一変。
家事や育児、また仕事が忙しいミランダを全面的にサポートすることに徹して「ミセス・ダウト」として家族の信頼を得ていきます。
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こんな友だちいるわけない……ん???
ミランダがアラジンだとして、ミセス・ダウトが叶えるのは「家事」「育児」の2つの願い。
そして最後にミセス・ダウト(ダニエル)を自由にしてくれて、「子ども」との面会の機会を増やしてくれるというオチです。
ここで安易に再婚というオチに持って行かないところに、クリス・コロンバス監督のセンスを感じます。
これはミセス・ダウトのセリフでも明言されています。
家族にはいろいろな形がある。
離れて暮らした方がうまくいく家族もいる。
実際、ミランダはダニエルに歩み寄る姿勢を見せるものの、ダニエルが一歩引く形で映画は終わります。
90年代ファミリー映画の金字塔
続いて、『ミセス・ダウト』のクリス・コロンバス監督についてです。
クリス・コロンバス監督と言えば、80年代~現在に至るまで様々な作品に携わっている名監督。
キャリアの最初期には『グレムリン』(1984)
90年代には大ヒットシリーズ『ホームアローン』(1990)
00年代には『ハリーポッターと賢者の石』(2001)から3作目『ハリーポッターとアズカバンの囚人』(2004)
そしてロビン・ウィリアムズと再びタッグを組んだ『ナイトミュージアム』(2006)
などなど、とにかく名作・大作ばかりで枚挙に暇がありません。
このラインナップだけでもわかる通り、クリス・コロンバス監督の作品は「家族そろって楽しめるコメディ」が主軸にあります。
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私自身の幼少期(90年代)も映画と言えば「家族とテレビ(またはVHS)で観るもの」というイメージが強かったように思いますね~
『グレムリン』や『グーニーズ』(1985)はファンタジー作品でもありますので、ファミリーコメディだけじゃ物足りない方にもおすすめです。
3つの願いを叶える
話を『ミセス・ダウト』に戻しましょう。
ここではこの話を少し掘り下げます。
まず『アラジン』では、主要な3キャラクターそれぞれに願いがありました。
アラジン | ジャスミン | ジーニー |
---|---|---|
お金持ちになって 貧しい生活から抜け出す | 王族のルールに縛られず 自立して生きる | 主人に仕える生活を辞める |
共通するのは、内容は全く異なるものの、それぞれの願いこそが「自由」だと思っている点。
『アラジン』は三者三様の自由を全て叶えるところまで持っていくことがテーマでもありました。
一方の『ミセス・ダウト』でも、主要な3キャラクターに願いがあります。
ダニエル | ミランダ | 子どもたち |
---|---|---|
子どもたちと過ごす | 家事と育児をサポートされたい | パパと過ごす時間がほしい ママに幸せになってほしい |
ダニエルはミランダに捨てられたこと自体には未練がなく、子どもと会えないことに不満を漏らしています。
途中でミランダを狙うスチュワートという男性が出てきますが、あくまで子どもたちを奪われるのを阻止するために動くだけです。
また子どもたちはパパっ子なのですが、ダニエルに生活力がないこともわかっているため、生活の基盤はミランダに任せるスタンスが共通の認識のよう。
ayumi14
子どもの頃はこのラストについて何とも思わなかったけど、大人になって改めて観ると切なかった……
構図として非常に似ている『アラジン』と『ミセス・ダウト』。
ある意味で『アラジン』を現代を舞台にリブート実写化させたらこうなるかも、という目線でも観ることが出来ます。
家族で観てほっこり、1人で観てしんみり。
是非『ミセス・ダウト』を楽しんでみて下さい!