【番外編】RRRはご存知か?ナートゥ、キャラクター、モデル、各考察についても紹介

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ayumi

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ディズニールネサンス育ち。
『アラジン』は一生で一番多く観た映画になる予定。
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皆さん、“ナートゥ”はご存知か?

というわけで今回は番外編として、大ヒットロングラン爆進中のインド映画『RRR』の考察です。

ayumi14

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数奇な運命に駆り立てられています…!!

私自身、インドの文化や神話に詳しくないので、調べながらになりますが、自分が疑問に思った点や回収されなかった伏線についてを考察していきます。
お気づきの点等はコメントいただけますと、勉強になるのでありがたいです。

ナートゥが象徴する“平和”

ゴールデングローブ歌曲賞にも選ばれた『NAATU NAATU』。
インド映画といえば、とにかく大勢で突然歌い踊るイメージが強いと思います。
『NAATU NAATU』もこのイメージ通りのダンスナンバー。

しかし『RRR』のダンスシーンは、この『NAATU NAATU』のシーンだけ。

歌のシーンは他にもありますが(後述参照)、華やかなダンスシーンはここだけなのです。
だからこそ『NAATU NAATU』は『RRR』にとって重要な楽曲。

また、これも重要なポイントですが、『NAATU NAATU』のシーンは「突然踊り出す」わけではありません。
そもそも舞台はダンスパーティ。
舞台上でイギリス人のジェイクにバカにされたビームを見かねたラーマが、煽り返し踊るというシーンです。

映画『RRR』©2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.

「NAATU」とはテルグ語で「地元の」という意味があるそうです。
つまり欧米式のダンスしか知らないジェイクに対して、ラーマとビームが地元のダンスを教えます。

映画『RRR』©2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.

そしてジェイクも誘われるがままナートゥを踊りだし、最終的にはパーティのゲスト全員を巻き込んでのナートゥバトルに展開していきます。
ラストでラーマがわざと負傷したフリをして、ビームに勝たせるのも良いエピソードでした。

『RRR』ではジェニー以外のイギリス人は、徹底した悪で描かれます。
しかしこのナートゥのシーンでは、意地悪なジェイクまでもがナートゥのリズムに合わせてダンス。
作中で唯一、敵味方なく平和的に笑い合っている貴重なシーンです。

ナートゥのシーンはちょうど作品の折り返し地点なので、これ以降、物語は怒涛の血生臭い展開が続きます。
これほど自然に、しかし気分が高揚するダンスシーンを描いておきながら、その後の過酷な流れを想うと、より胸が熱くなるシーンです。

神々が降臨するシーン

『RRR』には数々のヒンドゥー教の神々へのオマージュが挟まれており、現地の人からは批判されることもあるそうです。
ラーマもビームも実在した闘士をモデルとしていますが、物語はあくまでフィクション。
2人の主人公にはそれぞれ、ヒンドゥー教の伝説的な英雄を重ねています。

例えばラーマのモデルは革命家のアッルーリ・シータラーマ・ラージュ。
19世紀末〜20世紀はじめにかけて、ゲリラ的な武装蜂起をした人物として今でも人々の尊敬を集めています。

しかしその一方で、ラーマはインドの古典叙事詩『ラーマーヤナ』の主人公ラーマ王子とも深い関わりがあります。
ラーマ王子はインド神話最大の英雄の1人でもあるので、知識のある方はすぐピンとくるでしょう。

ayumi14

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世界史好きを自称していましたが、ラーマ王子について全く知らなかったので自称取り下げます

映画『RRR』©2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.

ラーマ王子の妃はもちろんシーター。
ビームが「ラーマ王子とシータ姫」と言ったのは、ただの喩えではなく、『ラーマーヤナ』のことを言っていたのですね。
まらラーマ王子はヴィシュヌ神の化身ともされており、それは『RRR』のクライマックスで負傷したラーマが弓を携えて戦線復帰するシーンに表れています。

弓を持つラーマ王子

一方のビームのモデルはコムラム・ビーム。
ゴンド族の革命指導者で、断続的な反乱を指導し死した後、反乱の象徴として讃えられた英雄です。
生きた時代はラーマのモデルであるアッルーリ・シータラーマ・ラージュより少し後ですが、『RRR』のラージャマウリ監督は、「この2人の英雄が出会っていたら?」という構想を基に映画を作ったとのこと。

またビームは、古典叙事詩『マハーバーラタ』の主人公兄弟の次男ビーマが重なります。
ビーマは怪力の持ち主で、棍棒や拳闘にも優れていました。
今でもインドでは力持ちのことをビーマと呼ぶほど、一般的なキャラクターです。

怪力のビーマ
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この絵、ビームが噴水のホースを持って戦うシーンとそっくり!!

映画『RRR』©2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.

またビームについては、このシーンは丸々ビーマが乗り移ったかのような流れでしたね。

冒頭で風が吹き、葉が頬を撫でたとき、ビームの表情がふと変わります。
常人ならとっくに死んでいるであろう鞭打ちの刑の真っ只中でも、歌い続ける姿は総督にとっては脅威。
しかし民衆は奮い立ち、結局のところ刑は中止せざるを得なくなります。

『マハーバーラタ』を知らないイギリス人には感じ取ることができない、熱い訴えかけがあったのでしょう。
身体はボロボロなのに、力強く歌い続けるビームには狂気しか感じられないですから。

語彙を失う人々

私の持論です。

人は『RRR』について語る時、語彙を失ってしまう。

日本で『RRR』が公開されたのは2022年10月。
SNSなどでじわじわと人気が広がり、私もTwitterを通じてタイトルとナートゥについて知っているレベルでした。
そして年末、みうらじゅん氏のYouTubeでその名前が出た時に改めて認識しました。

『RRR』を絶賛しているのですが、なんだかとにかく表現がふわっとしていて、「これはステマじゃないか?」と思ったほどです。
「すごい映画」「驚いた」「シール買った」等、好きなのか?面白かったのか?尺が短いこともあり、正直よくわからないという印象でした。

またチョコレートプラネットの長田さんも大絶賛。

こちらも面白かったという感想はわかるのですが、とにかく表現が感覚に寄りすぎていて「やっぱステマじゃない?」と思ってしまいました。(すいません)
でも2回観てるなら、まぁ間違いなくハマったのでしょう。

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実際長田さんが「2回目の方が面白かった」と言っていたので、私も2回観ました

そして岡田斗司夫先生。

25分あたりから『RRR』について語っています

とにかく面白かったということで『RRR』に95点を付けています。
面白かったポイントなどが、私が夫に『RRR』について語る時と全く同じ内容だったので、笑ってしまいました。(良い意味です。)

あとはホッカイロレンさんも。

個人的にここまで紹介した中では、一番わかりやすくポイントを押さえて語っているように感じました。
ネタバレなしなので、言葉を選びながら丁寧に紹介しています。
ただ動画のタイトルが「謎のインド映画」になっているのは笑いました。


『RRR』を2回観た個人的な総括は、「この映画が上映されている時代に生まれてよかった」です。

映画は基本的に公開後1〜2ヶ月ほどで劇場での上映は終了します。
リバイバル上映なんて、よほど運が良くないと巡り会えないでしょう。
そんな環境の中で、『RRR』のような劇場映えする豪華で派手な映画をスクリーンで観られるなんて本当にラッキーです。

大袈裟ではなく本当です。
自宅で観れるようになったとしても、劇場で観た衝撃や興奮と同等のものは得られないでしょう。

以上、『RRR』の考察でした。

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