もう絶対に生み出せない傑作ミクロキッズ|ミクロアドベンチャーの原作映画の魅力を徹底解説

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ayumi

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This is the way.

ディズニールネサンス育ち。
『アラジン』は一生で一番多く観た映画になる予定。
ディズニーとスターウォーズ界隈を行ったり来たりしています。
YouTubeも更新したりしなかったり。

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今回は1989年公開の映画『ミクロキッズ』の考察です。
映画としてはもちろん、東京ディズニーランドにかつてあったアトラクション『ミクロアドベンチャー!』の原作として覚えている方も多いのでは。
そしてなんとリメイク版が計画されているという噂も…。

しかもこの『ミクロキッズ』、実は『スター・ウォーズ』とも密接な関連のある正真正銘のファミリー向けSFなんです。

ディズニー映画が、純度100%のエンタメだったあの頃。
ご存じの方はもちろん、アトラクションでしか見たことない!という方まで、皆さんまとめてお付き合いください。

絶滅危惧種”ファミリー映画”

まずは『ミクロキッズ』のあらすじを紹介します。

サリンスキー博士は偉大なる!?“電磁物体縮小マシン”を開発中。とは言っても毎度のガラクタにみーんなうんざりで期待者はゼロ。ところがある日、偶然が奇跡を呼んでマシンが作動し、子供たちを6ミリに縮めてしまった!ゴミと一緒に捨てられてしまった彼らは芝生のジャングルの中を大洪水のスプリンクラーや恐竜と化した昆虫を相手に大冒険。一方、大パニックのサリンスキーは自ら考案したウルトラ級の珍装備!?で必死に探すのだが、隣家も巻き込んでてんやわんやの大騒ぎ…。

ミクロキッズ

主人公はリック・モラニス演じるサリンスキー博士となっていますが、真の主役は”ミクロ”にされてしまう子どもたちでしょう。
サリンスキー家からは姉エミーと弟ニック、お隣のトンプソン家からは兄ラスと弟ロス。
4人の子どもたちがミクロ化してしまい、ジャングルと化した裏庭から生還するお話です。

公開当時はディズニー実写史上最高の興行収入を5年間もキープしています。
同年の全世界興行収入ランキングでは7位にランクイン。
ちなみに1989年は『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』『バットマン』『バック・トゥ・ザ・フューチャーⅢ』など錚々たる名作が公開された年なので、その中での7位は大健闘でしょう。

また作品のヒットに伴い、1994年にはフロリダのディズニーワールドでアトラクション『Honey, I Shrunk the Audience』がオープンし好評を博します。
その後、1997年には東京ディズニーランドで同アトラクションが『ミクロアドベンチャー!』として導入され2010年までゲストに愛されました。
大量のネズミが飛び出す演出を覚えている方も多いのではないでしょうか?

話を主人公たちに戻します。
サリンスキー家は姉がリア充、弟は父譲りの博識。
一方のトンプソン家は兄がこじらせ、弟はいたずら坊主。
属性別キャラが勢揃いしていて、誰が見ても誰かに感情移入してしまう設定です。

そして両家とも、親は少々おっちょこちょい。
サリンスキー家は父が売れない発明家、母は不動産営業で稼ぎに出る。
一方のトンプソン家は脳筋ゴリ押し親父と、それに従うしかない母。
これもまた、あるあるな家族設定です。

近年のディズニー作品だったら絶対にねじ込まれるであろう、多様性を尊重する設定は薄め。
あえて言うなら、ラスが小柄であるが故にフットボールチームで活躍できずに離脱してしまったことくらいでしょうか。
脳筋父にとっては一大事だったようですが、母はそれを諌めているので、80年代当時もこれくらいの多様性なら認められていたのかなという印象です。
白人以外の人種も、同性愛もハンディキャップも『ミクロキッズ』には出てきません。

おっちょこちょいな大人と、大人びた子どもたちがトラブルに巻き込まれて成長するという、実にディズニースタンダードなストーリーです。
安心して子どもと観られるファミリー映画の決定版!
強いて言うなら、劇中でエミーとラスの濃厚なキスシーンがあるので、そこだけご注意を。

スター・ウォーズからの学び

『ミクロキッズ』の監督はジョー・ジョンストン。

本作で映画監督デビューしていますが、それまではジョージ・ルーカスの下で『スター・ウォーズ』シリーズのアートディレクターなどを務めていました。
映画界で最初に参加した作品である『スター・ウォーズ エピソード6/新たなる希望』ではトルーパー役でカメオ出演も果たすなど、深い関わりがあります。

『ミクロキッズ』で見られる妙にヌメヌメしてリアリティがある茂みの様子や昆虫たちなど、『スター・ウォーズ』に出てくるクリーチャーたちに通じるものがあります。
エミーが沼のようになった水たまりに溺れていく様子、花の上に落ちて花粉まみれになるシーン、サソリやアリのバトルなど、これらのシーンの既視感は多分『スター・ウォーズ』由来でしょう。
惑星ダゴバでヨーダと修行をするシーンや、ジャバ・ザ・ハットの地下牢でランコアと遭遇するシーンなどとかなり似ています。

今だったらCGでもっと精巧に作られるシーンですが、80年代当時の特殊効果だとリアルだけど粗さも感じられる絶妙なエモさ。
この時代のこの技術からしか得られないエモさがあるのは、わかる人にはわかっていただけるかと思いますが、いかがでしょうか?

ちなみにジョー・ジョンストン監督は『ミクロ・キッズ』以外にも数々の有名作品を生み出していて、『ジュマンジ』(1995)『ジュラシック・パーク3』(2001)『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)など幅広く活躍しています。

大は小を兼ねない?

『ミクロキッズ』は子どもたちが小さくなって冒険することで、精神的な成長を遂げる様子が描かれます。
物理的には小さくなりながら、精神的には大人に近づいていく様子のギャップがこの作品の面白さの1つです。

例えばロンは兄のラスに対して、当初舐めた態度をとっています。
それはラスがフットボールチームを離脱したことや、脳筋父から怠惰を諌められていることを知っていてそういう態度をとっている様子です。
しかしミクロ冒険の中で、リーダーシップを発揮するラスを見て、ロンの態度は変わっていきます。

またラスとロンの父の心境の変化も見どころです。
彼は「大きいことはいいことだ」を信条としている体育会系熱血パパ。
家族の誰も気乗りしていないのに釣りに行くことを強制したり、ラスが腐っているのを見かけて無理やり筋トレをさせます。
自分の好きなものを家族が嫌いなはずはないと信じている様子です。
ラスに否定されると「じゃあ何が好きなんだ!?」と問いかけ「わかったら教えるよ」とかわされる始末。

そんな父も、子どもたちがミクロ化して行方不明になって不安な一夜を過ごしたことで考え方を改めます。
妻には禁煙していると言いますが、実は悩み事がある時は無意識にタバコに手を出していること。
ここに父の”隠せない小ささ”が表れています。

この『ミクロキッズ』においては「大は小を兼ねる」というよりは「小は大に繋がる」に近いかもしれません。
ラストでラスとロンの父は、ミクロ化装置の人体実験に自分を使ってくれと申し出、妻は驚きながらも夫の変貌に喜びます。

自分の”ミクロ”な部分を認めてこそ、成長できる。
分かり合えないと思っていた人と良い関係を築ける。

エンディングは両家の家族がディナーを囲むシーン。
お互いに相入れないと思っていた隣人同士が楽しい宴を開いています。

ちょっと上手くいきすぎだなと思う点もありますが、これぞファミリー映画のエンディング!といったところでしょうか。
エミーとラスがテーブルの下でちょっかいを掛け合っているのがちょっと気になるところではありますが、本当に安心して観れるファミリー映画です。

ちなみに『ミクロキッズ』は続編『ジャイアント・ベビー/ミクロキッズ2』『ミクロキッズ3』さらにはテレビシリーズも製作されました。
そしてジョシュ・ギャッド出演のリメイク版も計画されていましたが、2024年現在は中断しているとのこと。
現在俳優業からは退いているリック・モラニスの復帰も発表されていただけに、今後この計画がどうなるのか気になるところではあります。

先述したように『ミクロキッズ』の良さは、80年代のあの質感でもあるので、リメイク版でその良さがなくなってしまうかもと思うと少し複雑ですね。

以上、『ミクロキッズ』考察でした!

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ディズニールネサンス育ち。
『アラジン』は一生で一番多く観た映画になる予定。
ディズニーとスターウォーズ界隈を行ったり来たりしています。
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